怪文書

エロゲ、V、写真など適当に

"coincidence"について ※『アマカノ2』のネタバレを含みます

まえがき

 前回のアマカノ2感想記事で述べた通り、「運命」と訳すのであろうことはほぼ確定だと思いますが、そのへんのことについて少し調べたことがありまして、「意図的にやってたらすげえなぁ」と思ったことが出てきたので記事にしてみます。まあほぼ100%「作った人そこまで考えてないよ」案件だと思いますが・・・

 


1,「運命」の英訳

 アマカノ2における「運命」に相当する英訳は何になるんだろうと思い、和英辞典を引いてみました。ウィズダム和英辞典によると、「運命」には次の4つの英訳とその使い分けが考えられます。

① destiny 神から与えられた宿命、天命
fate 個人の力ではどうにもできない成り行き。通常、死など否定的な結末を指す。
③ fortune 偶然で決定される人生の運・運勢・運命。幸運・不運の両方を含意
doom  不幸で悲惨な運命。
⑤ lot  偶然に与えられた身分・境遇。

 

 どれも宗教っぽいというか、「宿命」みたいな意味合いが強い気がします。1はないでしょうし、4は論外、5は身分や境遇というのが違いそうです。3は偶然という言葉はあるものの、運勢なので違うでしょう。
 
 残るは②のfateですが、否定的なのでこれも怪しいでしょう。一応辞書の用例には

That was a fateful meeting with her.「それが彼女との運命の出会いだった」というのがありますが、あくまで偶然の積み重なりである結灯との出会いに適用はできなさそうですね。

 

 長くなりましたが、こうして見ると、日本人が思い浮かべるような「運命の出会い」に完璧に合う英訳はあるのか?と思います。これは私の想像でしかありませんが、海外の小説などではcoincidenceと訳すこともあるのではないでしょうか。

 

 正直以上のことがわかったからなんだよ、という感じはありますが・・・

 

 

2,coincidenceという単語の成り立ち

 こっちが「意図的だったらすげえな」と思った部分です。

 coincidenceを分解してみると、「co-in-cid-ence」となります。coは「一緒に」というような意味をもつ接頭辞です。inは前置詞のinと同じように「中に入る(入っている)」のイメージです。では、cidが何かというと、「落ちる」という意味を持ちます。すなわち、coincidenceは、「二つ(以上)のものが一緒に、(機会や出来事その他に)落ちる」という意味になり、そこから「偶然の一致」という意味が生まれたものといえます。

 

 ここで注目したいのが、cidです。「落ちる」という意味ですが、賢一と結灯は何に「落ちた」のでしょうか。まあ普通に考えれば、新幹線で偶然出会うという機会や本当の自分を知られるという出来事なわけですが、ものすごく飛躍した解釈をすると「恋に落ちた」となります。なるんです(ゴリ押し)。さすがに偶然だとは思いますが、これをもし意図的にやっていたとしたら感服する限りですね。というかこの記事はこの話がしたかっただけですごめんなさい。ただ、coincidenceの成り立ちを分解してみると「二人が恋に落ちた」となりうるというのは偶然にしても、それこそ運命を感じずにはいられなかったので、この知見を共有させていただきました。

※cidは厳密には「落ちてくる」なので、「一緒に落ちる」と解釈するのは曲解の可能性もあります。ご注意ください。

 

 何ともまとまりのない記事でしたが、お読みいただきありがとうございました。それでは失礼します。